第11章 夢と面談と最終試験
…………長い長い、夢を見た。
廃墟と化した寺にポツンと立っているのは、幼き頃の私。
『いっちゃうの?』
「………悪いな、オレもここにずっと留まっている訳にはいかないんだ」
そっと頭を撫でてくれるのは、死にそうになっていた私を救ってくれたあの人。
『……うん、しってるよ。しけんがあるっていってたもんね』
「あぁ………お前にはもう一人でも生きていける力がある。自分で歩いて、自分で仲間を探すんだ」
私をじっと見つめる力強い瞳。
「できるな?」
『…………うん』
「いいこだ」
そういってあの人はどこかへ行ってしまった。
ほんとは引き止めたかった。
でも引き止めたらあの人も自分も前に進めない気がしたんだ。
だから私もあなたと同じ場所に立って、自分の気の赴くままに生きて、また再会できることを心のすみで祈ることにしたんだ。