第2章 ハゲと出会いとハンター試験
なぜ……?なぜなの??
どうして一日でこんなにおっさんと遭遇しなくちゃいけないの??
私はいま、このトンパとかいうおっさんに話しかけられてしまっている。
「それで、あの男が………って聞いてる?せっかく説明してるのに」
「あ、すいません。ぇーと、はい、そんなにうすらってないと思います。あなたの頭」
「なんの話!!?」
あー、おっさんだらけで頭が痛いよ。
どこかに同い年くらいの子いないかな。
「まぁいいか。とりあえず、お近づきのしるしに………はいこれ!」
トンパさんは鞄から二本の缶ジュースを取り出す。
そしてニコニコしながら私に一本渡そうとしてくる。
…………………。
いや、ものすごくいらない。
ただでさえこのおっさん率だというのに、なにが嬉しくてこんなおっさんとジュースを飲み交わさなきゃならないの!?
「あ、いや。結構です」
「遠慮しなくていいよ、ほら。喉乾いてるだろ?」
「いや、私ほんと水分いらないんで。常に潤ってるんで」
「常に潤ってるって何!!?いいからもらっとけって!」
「ちょ、触んな!おっさんがうつるだろ!」
「君さっきからひどくない!!?」
「じゃ、それ俺にちょーだいよ」
……………ん?誰?
いつの間にか、隣には見たこともない少年が。
「君いらないんだろ?」
「え?うん」
「じゃー俺もらう!いいだろ?トンパさん」
「え!ぁ、あぁ………」
「サンキュー!……あ、ねぇ、君。俺暇なんだ。一緒に来てよ」
「は?……ぐぉふ?!」
返事を返す前に少年が私を引っ張っていく。
「だっ!ぐぁ!うぎ!ぐはぁ!」
少年は人混みのなかをスイスイ通っていくので、もちろん私は人に当たりまくっている。
てゆーか、少年が歩くの速すぎる!
人混みを抜け、人の少ない壁際に着いた。
「さーて、着いた。………あれ?なんでそんなに疲れてんの?」
「少年、君のせいだよ」
「……ふーん?まぁいいじゃん。あのおっさんから離れられたし」
あ、そうか。この少年は私を助けてくれたんだ!
「俺キルア、12歳。君は?」
「、17歳」
「…………………え?」
「…え?」
そんなこんなで、キルア君と出会いました。