第9章 クジと番号と船の旅
「自分のターゲットとなる受験生のナンバープレートは三点。自分自身のナンバープレートも三点。それ以外のナンバープレートは一点。……そして、最終試験に進むために必要な点数は六点だ」
なるほど。じゃあ、その六点を試験中に集めればいいと。
「ゼビル島での滞在期間中に、六点分のナンバープレートを集めること。これが試験内容だ」
パイナップルがそう説明し終わったあと、皆は移動用のフェリーの方に歩き出した。
おっと、まだ聞かなきゃいけないことが!
「パイナップルさぁ~ん!」
「それは私のことを言っているのか?」
は!いけない!つい本音が!!
「すいません、ちょっと聞きたいことがあって」
「まぁいいだろう、よく言われるからな。で、なんだ?手短に頼むぞ」
パイナップルってよく言われるんだ。
そこで、私は自分の番号のカードを引いてしまったことを簡単に説明した。
「ふむ。それなら仕方がない。君のプレートは、誰が取っても六点分ということにしよう。だから、君はそのプレートを滞在期間中にずっと守り続けていればいい」
「狩らなくていいってことですか?」
「まぁ、そういうことだ。ちょっとした例外だが、仕方ないだろう」
おお!じゃあ私けっこう楽できるんじゃね!?
「~!!」
「なにしてんだよ!置いてくぞ~!!」
フェリーの方から、ゴンとキルアの呼び声が聞こえてきた。
やば!早く行かなきゃ!
「じゃあ、私もう行きますんで!」
「あぁ、試験官でこういうのもなんだが、君には大きな可能性があると私は思う。最後まで頑張ってくれたまえ」
「パイナップルさん……」
「そこでパイナップルはないよね。しかも君、直す気全然ないだろ」
うん。
なんか、三次試験で一番仲良くなった人ってこの試験官だと思う。
ブオオオッ……
フェリーは私達受験生を乗せて、ゼビル島に向けて出発した。