第8章 一人と一番とトリックタワー
ひゅ~~~~~~~……
あの、これどこまで落ちるんですかね?
左の扉開けて落ちてから、ずっと一直線に落ち続けてるんですけど。
腕につけた時計を見ると、二時間くらい経っているし……………。
『どうやら左の扉を選んだようだな』
「!!試験官さん!?」
落ちながら、あの試験官の声が響いてきた。
『ある意味君の選択は正しいだろう。この落とし穴はゴールまで続いてるからな』
「え!まじで!?チョーラッキーじゃん!!」
じゃあ私もしかして一番とか!?
『……勘違いしないことだな。確かに簡単だが、このスピードで地面に叩きつけられたらどうなる?』
「!?……え、」
『じゃあ、よく考えて生きて下に降りて来いよ。では、健闘を祈る!』
そこで、また試験官の声が消えた。
「え、え"ええええっ!!!下にマットとか敷いとけよ!!」
私このままだと確実に死ぬじゃん!
そう思ってると……
「Σうそ!地面見えてきたんだけど!!」
下に、うっすらと地面らしきものが見えてきた。
ちょ、やば!ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!
そんなピンチのなか、私は閃いた。
「……………そうだ!」
私は咄嗟に両手に大量のオーラを送る。
そして、その両手を壁に突き刺す。
ガガガガガガガッ!!!!!
「いだだだだだだだ!!!!!」
手を壁に突き刺したまま、私は落ちていく。
でも、作戦通りスピードはどんどん遅くなっていって……
すとんっ。
「……着いたァァァァァァァ!!!!」
無事に、地面に到着!
手はすごい痛いけど、この際気にしない!!
すると、目の前の扉が開いた。
『100番、三次試験通過第一号!!所要時間2時間42分!!』
「………………………」
一番についたのは嬉しいけど、これって残りの時間ずっと待ってないといけないんだよね……。
めんどくせっ!!!!!!