第7章 休みと探検と飛行船の旅
「…ほら、水」
「わぁ、ありがとキルア☆」
「☆うざい、さっさと飲めゲロ星人」
「ちょ、ひど」
私達は飛行船の廊下で座っていた。
隣のキルアは、あれから俯いたまま喋らない。
………あれかな?さすがに目の前で公開ゲロはまずかったかな?
「……、」
「えっ!!なに?」
「お前怖くないわけ?オレのこと」
キルアが少し戸惑いがちに私を見てきた。
あ、さっきのことかな。
「うーん、殺しは怖いけどキルアは全然怖くないかな」
「なんだそれ?」
「だって、キルアは私やゴンのこと殺さないでしょ?」
「……わかんねーよ、そんなの」
「うん、わかんない」
「はぁ?さっきから言ってることめちゃくちゃすぎるだろ?」
呆れた目で見られる。
うん、でもね、キルア……
「友達だもん。私はキルアのこと信じてるからさ」
「…!!………は、」
「よし!吐き気もおさまったし、寝るわ!お水ありがと!」
「ちょ、おい!」
「ぐっないキルア~!!」
私は寝室までダッシュ!!
だって眠いんだもの!!
「……なんだ、あいつ………」
ひとり残された廊下で呟くキルア。
「…………友達、なんて…」
少年の闇は、想像もできないくらい深いものだった。