第31章 尾行と捕獲と旅団本拠地
「……お前、何してくれるか」
「ひぃぃっ!」
髪の毛とマスクの間からのぞく目は、まるで私を射殺すかのように光っていて……あ、これ死ぬかも。
すると男はまた一瞬で姿を消し、私の隣に現れた。
速っ!!
しかも今度は痛くない右腕掴んでる!
「左腕が使えないなら、右腕もそうしてやるね」
「へ?」
メキ、
………え?いま、メキッて、
「痛ァァァァァ!!!」
「ハハハ、これで両方使えない」
「うぅぅ~~…!!」
なにこれホントに痛い!!
なんてドSだこんちきしょう!
「こんの万引き真っ黒ドS男めぇ……!!」
「フェイタンよ」
「は?」
「フェイタン」
…………
…………え?
「ワタシの名前フェイタンね」
「え?あ、はい」
だから何ですか。
そう思ってると男……フェイタンは機嫌を悪くしたのか、眉間にシワをよせる。
ええええさっきから何なんだよこの人!!
「……お前はなんていう」
「え?」
「早く答えないと"メス豚"て呼ぶ」
「です!」
いや別に敵なんだからどう呼ばれても構わないけど!!
メス豚はキツい!!
するとフェイタンはまだ痛む腕を引っ張り、私の顔をまじまじを見つめてきた。
心なしかキラキラして見えるのは私だけ?
ひたすら見つめられたあと、
「気に入たよ」
「え?」
「お前、」
フェイタンが続きを話そうとしたそのとき、
プルルルル…
「…………」
「……チッ、」
「(舌打ち!?)」
どうやら他の仲間から連絡が入ったらしい。
少し話してからフェイタンは電話切り、こちらを向く。
「お前のお友達が捕またみたいね。下行くよ」
「!!」
お友達って…ゴンとキルア!?