第31章 尾行と捕獲と旅団本拠地
「さ、行くよ」
「…はい」
あぁ、二人とも大丈夫かな?
ケガしてないかな?
フェイタンに腕を拘束されたまま建物の外に出ると、他の団員に捕まっているゴンとキルアが見えた。
よかっためっちゃ元気そう!
「ゴン!キルア!」
「!」
「大丈夫!?ケガしてない?」
ケガしてるよ!
ケガしてるけど二人に会えてめっちゃ嬉しい!
てゆーか旅団こんなに勢ぞろいしてたんだね。
最初二人だったのが五人になってるよ。
そのなかで、あの闘技場で出会ったお姉さんと目があった。
「あれ?あんたどこかで……」
「なんだマチ、顔見知りか?」
お姉さん、マチさんっていうんだね!
「天空闘技場でぶつかっちゃった通行人Aです」
「……あぁ!あのときの。まさかこんなとこで会うとはね」
こんな説明で思い出してくれたんだ。
「しかし困ったな、こんなに人数がいると思わなかった。あの乗用車に入りきるか?」
「無理だろ」
団員の目の先には一台の乗用車。
そうか、最初と別の三人の団員達はこれでここまで来たんだ。
こ、これは逃げるチャンスなんじゃ…
「あ~、これは最低五人くらいしか乗れないんじゃないかなぁ~……あれっ?あれあれ?旅団のみなさん全員合わせると五人じゃないですか!私達を解放すれば全員車に乗れちゃったり?」
「おい何だコイツ切っていいか」
「待ってください」
何をそんな物騒なことを。
すると今度はスタイルの良いお姉さんが前に出た。
うわぁぁぁボンキュッボンだぁぁぁ!
「ごめんなさいねお嬢ちゃん、こんな時のためにもちゃんとワゴン車を準備してあるのよ」
「ガッデム!!」
そして登場した立派なワゴン車。
ちくしょう!せっかく逃げられると期待したのに!
ワゴン車の扉が開くと、ゴンもキルアも次々と乗せられていく。
もちろん私も。
「よし、これで全員乗ったな」
運転席にはあの長髪の男。
その後ろにはマチさんとジャージの男の間にゴンとキルアが座り、一番後ろにはスタイリッシュお姉さんとフェイタンの間に私………
ちょっと待て。