第31章 尾行と捕獲と旅団本拠地
キルアの合図とともに私は近くの建物に身を潜める。
しばらくそこから目で追っていると、ちょうど旅団の二人が背中が見えた。
どうやら小道に入ろうとしてたみたい。
『ゴン、、ターゲットが小道に入るぞ』
『オーケー確認』
「私も確認したよ」
おぉ!なかなかうまくいってんじゃん!
しかし安心したのは束の間。
小道に入ったところから旅団は少しずつ、少しずつだけど人気のないところに進んでいる。
……大丈夫かコレ。
私は建物の屋根を渡りながらスマホを耳に当てる。
「キルア、聞こえてる?」
『あぁ』
「これバレてるかな?」
『………わからない、でも絶対に位置までは悟られてないハズだ。今のところヤツらの態度に不自然なところ見えねぇし、続行するぞ」
うーん、キルアがそう言うなら信じる!
『二人とも引き続き尾行を続けてくれ』
『うん!』
「了解」
……とはいえ心配になってきたな。
もう周りに私達以外人が見当たらなくなってきた。
これは集中して旅団を見てないと…!
しばらく人気のない道を進んだところで、廃墟が並ぶ住宅地に足を踏み入れた。
それと同時に見晴らしの良い場所で旅団の二人も足を止め、まわりを見渡している。
完全に私達のこと探してるよね!?
「どうしようどうしよう、絶対に探してるよあの人達」
『落ち着いて、まだ分からないよ』
『そうだな、待ち合わせか……オレ達を誘ってるかのどっちかだな』
こんな廃墟だらけのところで待ち合わせなんてしないだろ普通。
『でも絶対に位置はバレてない。誘いだとしたらオレ達がどこにいるかわかんねーから姿を見せろって言いたいわけさ』
「あぁ、なるほど」
『じゃあどうする?』
『待ち合わせの可能性もある。今は動かずに様子を見よう』
動かずに…ねぇ。
体は今すぐにでもここから逃げ出したくてしょうがないんだけど。
すると、
プルルルル……
「!!」
旅団の男のケータイが鳴った。