第31章 尾行と捕獲と旅団本拠地
「あ、間違っても視線は送るなよ。気づかれるからな」
「おっけー」
視線は送らずに、送らずに……
ゾクッ!
「!!!」
突然広場の空気が凍りついた。
それは明らかにあの旅団の二人から…
「空気が変わったな…」
「すごいイヤな感じでビリビリくる」
「まさか気づかれたか?」
えええ?何もしてないのに気づかれるわけないじゃん!
あ、もしかして、
「"絶"してないから?」
「今ここでそんなことしたら逆に不自然だっつーの。あいつらは広場にいる人間の視線やしぐさから違和感を見つけようとしてんだよ」
お、おぉお…なるほど。
「だから今のの表情はやばいよ。もっと自然にほがらかに話せ」
「自然にほがらかに……」
考えると難しいな……こ、こうかな?
ふにゃあっと表情を作る。
「………」
「………」
「ごめん、オレが悪かった」
「何でだよっ!!」
なんでキルアにしては珍しくそんなに申し訳なさそうな顔して謝るの!!?
そんなに不自然だったのか!?
そんなに気持ち悪かったのか私の笑顔は!!
「大丈夫だよ、オレも笑顔なんて作れないし…」
「わぁぁゴン!なにその不自然な笑顔!!」
ゴンとレオリオもやってたのかよ!
うわレオリオの顔気持ち悪っ!!
するとキルアが私達をよそにピクッと反応した。
「…動いたぜ、どうする?」
「!」
え、あの二人もう動いたの!?
「何度も言うけど、戦って勝てる相手じゃないからな」
「…………」
キルア、そう言ってるけどレオリオとゴンは…
「何とかするさ、しなきゃなんねーんだろ」
「うん!黙って帰るわけにはいかないもんね!」
やっぱりやる気満々だよ。
くそぅ、死にたくないけど私も参戦しなきゃ!
「わ、私もやるよ!せっかくここまで来たんだから!」
「……オーケー、じゃあオレの言うことをよく聞いてくれ」