第30章 目利きと宝と掘り出し物
「…で?どんなものを競り落としてーんだ?」
「グリードアイランドっていうゲームソフト」
「あぁ、あのバカ高いゲームか。そりゃあ難しいな」
ゼパイルさんグリードアイランド知ってたんだ。
……あ、やば、ちょっとトイレ行きたくなってきた。
「ご、ごめん私トイレ…」
「んだよ早く行ってこい」
「そう言ってわざとお腹押さないでくれる!?」
もれたらどーすんだ!
とゆーか押されたせいでヤバイ!!
さっきたくさん飲んだ紅茶が一気にOpeningしてReleaseされようとしている!!
うぉぉぉトイレぇぇぇ!!!
ズドドドドド…
ガチャッ!
バタン!
ジャァァァ~……
ガチャッ、
「…ふぅ、スッキリしたぁ」
今考えるとすごいね私、トイレの所要時間およそ3秒だよ?
こんな自慢誰にもできないけどな!
「さて、ゴンとキルアのとこ戻んなきゃ……」
と、ふとした拍子に店の外を見た瞬間、足が止まった。
「……ん?」
よく目を凝らして見てみると人がたくさん歩いている市場のなか見覚えのある顔が2つ。
あ、あの2人は………………
震える手で、ポケットにしまっていた旅団の顔写真が印刷された紙を取り出す。
「やっぱりそうだ……この2人」
7人の顔写真のうちの和風のちょんまげ男と、天空闘技場で出会ったお姉さん。
いま店の外で悠々と歩いているのは、姿、格好が違ってもまさしくその2人だった。
み、みみみ見つけたーー!!!
見つけたよ2人ともーー!!!
そう伝えに行きたいところだけど、いまはあの2人から目を離すことはできない。
あああ、どんどん歩いていっちゃうよ!
それにせっかく見つけたのにまた見失うのはキツいし……
「…よし、追跡開始」
私は意を決して店を出た。
あれ?なんか刑事ドラマみたいでかっこよくない?
なんか主人公みたいでかっこよくない!?
おっと、そんなこと考えてたら見失っちゃうよね。
とりあえずレオリオに電話しなきゃ!