第30章 目利きと宝と掘り出し物
「ありがとうゼパイルさん、もう少しでだましとられるとこだったよ」
あれからあの店からは手を引いて、先程知り合ったゼパイルさんと並んで歩いていた。
うん、実際あの木像とられちゃうとこだったもんね。
ごめんねゼパイルさん、眉毛太いなんて思っちゃって。
「礼にはおよばねーよ、ギブアンドテイクってことで」
「え?」
「2割でいいよ。その木像が売れたときのオレの取り分」
なっ…!!
「何ですとっ!?」
「ぼったくる気かよオッサン!!」
「人聞き悪いな、アドバイス料だろ当然の」
ぐっ……た、たしかに助けてもらったけど…
助けてもらったけどぉぉぉ!!(迷走中)
しかしキルアは譲る気なんかさらさらないらしい。
「20%もやれないね!せいぜい昼メシおごるくらいかな!」
「そうか、ならそれでいいや。じゃあそこのメシ屋で」
え!?………い、いいの!?
ガツガツ!!ガシャガシャ!!
「…………」
「おばちゃんシシカバブ一人前追加で!」
「あ、オレも食う!ゴンは?」
「じゃ3人前追加で!」
座っているだけで目の前に積み上がっていくお皿。
え?もう軽く10人前越えてない?
てゆーか隣に座ってるゼパイルさんもなかなか食べてる!!
「なんだよもっと食えよ。オムライスしか食ってねーじゃん」
「そうだよ、餃子食べる?」
「ごめんねゴン。常人の腹にはオムライスしか入りません」
あんたらが異常だ!
しばらくたってひと息ついたころ、ゴンが口を開いた。
「あのねゼパイルさん、考えたんだけど」
「ん?」
「やっぱり食事だけじゃ悪いから手数料払うよ」
まだその話続いてたの!?
「あ?いいよメシだけで。おばちゃんトウフのミソスープひとつ!」
「ゴンったらキルアに比べて優しいなぁグエフッ!!」
「そーだよゴン、見ろよコイツ10人分は食ってんぞ!オレカニチャーハン追加!」
き、キルア……台ふき投げてきやがった。
「でもそれじゃやっぱり…」
「いやマジでいいって!そのかわり一個教えてくれよ」
「?」
「お前らその3つの品どうやって目利きしたんだ?」