第30章 目利きと宝と掘り出し物
「うーん…もう一軒くらいまわってみて確認ができたらここで売っちゃうか?」
「やっぱそうした方がいいかなぁ…」
ぶっちゃけ、できるだけたくさんお金が手に入ればいいんだもんね…
私達が話し始めるとおじさんはさっきの木像を持ち上げた。
「ゆっくり考えてくれていいよ。それと、ちょっとこの木の年代調べてみていいかい?」
「え?あ、どうぞ」
木像で木の年代とか分かるんだ…
そう思って相談を再開させようとしたそのとき、
「待ちな!!その木像そこにおけ!」
「!!」
いきなり聞こえた声に振り返ってみると、変な髪型をした男の人がっ!!
えええええっ!!?誰ですかあんた眉毛太っ!!
「ボウズだまされんな。絵とアンティークドールの値段は妥当だが木像に関してはデタラメだ」
「な、なんだキミはいきなり……ボクはウソなんかついてないぞ!」
「そうかぁ?その木に8万も出す商人はいねーだろ。お前が欲しいのは、その木像の中身!!」
「!!」
明らかにこの男の発言でおじさんが動揺してる。
え?この木像、中身とかあんの?
「こりゃ木造蔵(きづくりぐら)だろ?300年前に金持ちの間で流行った税金逃れの隠し金庫だ」
男は木像のてっぺんをコンコンと指差した。
「素人には絶対わからねぇ継ぎ目がここにある。本物だったら財宝がギッシリ詰まってるはずだ………あんた、年代を調べるフリして中身だけすりかえる気だっただろ?」
「な、ボ、ボクはそんな……」
おじさん返す言葉なし。
なにこの人、探偵か何か?
すると男の人はこちらを向いてニッと笑う。
「お前らか。ゴン、キルア、って奴らは」
「え?」
え、えぇ?何で知ってんの!!?
「おいおいそこの嬢ちゃん"何で知ってんの!!?"って顔してるな。オレの名前知ってるだろ?」
いや知らないですけど。
するとゴンとキルアが"あっ!"と声を上げた。
「え?二人とも分かるの?」
「あぁ、いま思い出した」
「、値札競売市でオレ達苦戦してたでしょ?」
値札競売市……??
………………あっ!
「"ゼパイル"さん!!?」
「おう、やっと思い出してくれたか」
あああ!値段めっちゃ書き換えてきた人だぁぁ!!!