第30章 目利きと宝と掘り出し物
おじさんはゆっくりと3つの品物を観察して、感動したように口を開いた。
「うーん、どれも良い品だよ!これはおうちにあったものなのかい?」
「うん、古い蔵の中に入りっぱなしだったヤツなんだ」
ぬぉおキルア、嘘つけェ!ついさっき買ったばっかじゃん!!
「親が値段次第で売ってもいいって言ったから持ってきたの!」
「ボソッ(猫かぶりだ…)」
「ギギギ…(左腕掴まれる)」
「ぐぬぉうぅ!!!」
左腕ェェェェ!!急所狙ってきたこいつ!!
キッ!と睨んでも、さらに怖い顔で睨まれた。
ごめんなさい。
すると、ちょうどおじさんが値段を計算してくれた。
「この絵は15万、アンティーク人形は30万はするね……でもこの木像は残念ながらたいしたものじゃなさそうだ。値段はおまけして1500ジェニーってとこかな」
「え~」
この木像、少しだけどオーラ出てるのに…
作った人は才能あったけど有名じゃなかったのかな?
「あ、でもそれは像としての値段ね。この木は値打ちものさ。古くていい木は今の彫り師にとってはお宝なんだよ」
え、古くていい木とか初めて聞いたんだけど!
そしたら急におじさんの顔が真剣になった。
「そこでキミ達に相談だけど……もしこっちの2つを42万で売ってくれたら、この木像も8万で買い取ってあげるよ?」
「え!ほんと?」
「うん。それに、誓ってもいいけどこの2つはどこの店や業者市に持っていっても45万以上は出さないよ。自分の儲けがなくなるからね」
そりゃ良い話だ!でも…
「えーと…ちょっと待って!ゴン、キルアもまるくなって相談しよ!」
「別にまるくならなくてもいいだろ」
「でもどうする?買い値が同じなら市に出して手数料とられるよりこっちのほうが得だよ?」
そうだなぁ…と考えこむキルア。
うーん、私もそこが気がかりなんだよね。