第30章 目利きと宝と掘り出し物
「申し訳ございませんが…」
「ええっ!そこをなんとかおじさん!」
はい、ただいま先程のお宝をオークションハウスに検討中のです。
グレード高そうなハウスに来たのはいいけど、管理人のおじさんを見る限りどうしても今年の競売には間に合わないみたい。
くそぅ!せっかくここまできたのに!!
「街の骨董商に買い取ってもらうのが一番確実ですよ?」
「うーん、でもなるべく競売がいいんです」
「ふむ…そうですねぇ……」
あまりお勧めはできませんが…とおじさんが提案したのは、
「ギョウシャイチ?」
「はい、業者市です」
おじさんは丁寧にも細かく説明してくれたけど、全く分からないのでまとめると…
業者市とは、専門家のみが集う競売市。
そして出展された品物の良し悪しはすべてその参加者にゆだねられるが、初見の骨董屋に持っていくよりは高値で売れることが多い…とのこと。
うん、結局よく分かんない←
「じゃあ早速その業者市やってるところに行こうぜ」
「うん、ありがとうおじさん!」
え、ちょ、二人とも!まだおじさん説明してる途中なのに!!
「業者市かぁ…プロがいっぱい参加するんだから本物だったら高く売れるよね!」
「そーだねぇ」
売ることを楽しみにしてるのか、ゴンは持ってる絵をブンブン振りながら歩いてる。
それお宝かもしれないのに大丈夫?
あ、そういえば…
「その前にさ、今持ってる3つが一体いくらなのかめっちゃ気になるんだけど」
「あ!それオレも気になる!」
「そうだな、オレも気になってた……お、そこの骨董店で見てもらおうぜ」
ゴンとキルアが心なしかワクワクしてるように見えるのは私だけじゃないはず。
とりあえず3人でその骨董店に入った。
「いらっしゃい」
奥から出てきたのは人の良さそうなおじさん。
おぉ、いい値段つけてくれそうな顔してる!
「この3つの骨董品の値段を調べてくれませんか?」
「ん?どれどれ、見せてごらん」
私達は店のカウンターに3つの品物を並べた。