第30章 目利きと宝と掘り出し物
「うーん、じゃあどうしよう?」
『もう一度書き換えても、たぶんそいつがまたかぶせてくるよ。だから時間ぎりぎりに値段書き直そうぜ』
ふむ。それならこっちは3人いるし、最悪でも3つは落札できるもんね。
「おっけー!じゃあ私はもう一回さっき見つけたやつの方に戻ってみるね」
『あぁ。じゃあまたあとで会おうぜ』
プツッ、
「…さて、」
もう一度あの人形の方へ戻んなきゃ。
「オレが像ひとつ、ゴンが変な絵ひとつ、が人形ひとつか」
「オレが見つけた変な壺だけとられちゃったけど、3つは手に入ったね!」
あれからあっという間に時間が過ぎて、今は手に入れた商品を持ちながら3人で歩いていた。
そう。なんとか手に入ったんだよ!3つだけ!
「それにしても、"ゼパイル"って人もなかなか粘ってたよね。何回も書き直されてたもん」
「あぁ、おかげで最初よりもだいぶ値段高くなったよな」
くっそー!とキルアは腕をぶんぶんまわす。
可愛いな!
……あれ?そういえばこれからどうするんだっけ?
「さて、品物もそろったしさっそくオークションハウスに登録しに行こうよ!!」
「お、おぉう…」
そ、そうだった。
最初にゴンが言ってたのに忘れてた…
「お前忘れてただろ」
「わ、忘れてないし」
「嘘つけ目が泳いでんだよ!!」
キルアにほっぺたをムギュッとされる。
く、くやしいけどホントに忘れてた…
そうだね、私達の目的ってお宝探すだけじゃなかった。