第30章 目利きと宝と掘り出し物
「…とは言ったものの、」
なかなかオーラの見える骨董品なんて見つからない。
かれこれ1時間は見てまわってるんだけどなぁ…
しばらくゆっくり歩いていると、
「……あ!」
たくさん人形が並んでいるお店にひとつだけオーラの見えるアンティーク人形が見えた。
近づいて見てみると、やはりお宝に見える。
うおぉ!早くもゲットできちゃう感じですか!!
「…ん?」
人形についている値札を見てみると、どうやら先客がいたようだ。
名前は、えーと………読めん!
とりあえず2000ジェニーってかいてあるからキルアに言われた通りに2.5倍にするとして……
うーーーーん、
「まぁいっか、3倍の6000ジェニーで」
悪いなキルア、私は計算が苦手なんだよ。
私は先客の名前をペンで塗りつぶし、あらたに6000ジェニーと自分の名前を書いた(書き方はゴンに教えてもらった)
プルルルルル…
また市場のなかをひたすら歩いているとケータイが鳴った。
「あ、キルアだ…」
ピッ、
「もしもし」
『、そっちはどうだ?』
「んーとね、ついさっき一個みつけたとこ!』
「そっか。オレも一個見つけたんだけどよ…』
「……え?どうかした?」
少し真剣な声のキルア。
なにかあったのかな?
『実はさ、その見つけた一個に"ゼパイル"ってやつが先に入札してて2.5倍で書き換えてやったんだ』
「うん」
確か、私がさっき見つけた人形にも先客いたな。
『で、今見たらそいつ4倍でかぶしてやがったんだ。ゴンもおんなじことされてる』
「!!」
それは、
「…偶然じゃなさそうだね」
『あぁ、オレ達と同じようなことしてるやつが他にいる!』
マジですか。