第28章 再会と腕相撲と条件競売
「や、やばいぜあの男……」
「あぁ、やっぱりウワサは本当だったんだ」
思った通り、今までたくさんいたギャラリーはどんどん減っていく。
「チッ、商売あがったりだぜ。店じまいすっか」
レオリオは机を片付けだす。
すると、さっきのやーさん2人組の小さい方がこちらにやってきた。
「にいちゃん強いねぇ、気に入ったよ」
それに気づいたレオリオは、待ってましたと言わんばかりの表情でやーさんに向き直る。
おぉ?タイマンか?
「うしろの3人はもっと強いぜ」
「ほぉ……」
やーさんは取り出した名刺に何かを書き込んでレオリオに渡した。
「ヒマだったら17時までに遊びに来な」
「おぅ、ありがとよ」
名刺を渡すと2人は去っていった。
……あ、もしかして
「レオリオ最初からそれ狙ってたの?」
「お、よく分かったな」
なるほど、腕相撲はエサまきって意味やっと分かったよ。
こうゆう大物に目をつけられるための作戦だったんだね。
「でも私、小指は切りたくないよ」
「バカ、やくざに入るワケじゃねーよ。これからこの場所に行くんだ」
「そこで白い粉渡されるの!?」
「だからやくざに入るワケじゃねーって!!」
大金がかかった条件競売があるかもしれねぇだろ!!と叫ぶレオリオ。
すると今度はキルアが話しだした。
「こーゆーのは裏の取引でよくあることなんだ。さっき名刺をくれたあのやーさん、強いやつでも利用したいことがあったんじゃねーの?」
「あ、だからこの場所に来いって言ってたんだ」
「つまり大金をゲットできるチャンスってことだね」
「お前らやっと分かったのかよ…」
「うん!」
てゆーか私なんてまだ犯罪にも手を染めてない子供だからね。
日本では考えられないわ、マジで。
「じゃあ、いつ頃行こうか?」
「さすがゴン、まるで友達の家に遊びに行くような振る舞いだね」
やくざも友達ってか!
「まだ時間もあるし、昼飯食ってから行くか」
「オムライスでよろしく」
「お前好きだなオムライス」