第28章 再会と腕相撲と条件競売
それから4人で街を歩いているうちに、あっという間に夕方になってしまった。
「そろそろホテルに帰るかー?」
「あ、待って!オレ最後にあの店見たい!!」
「じゃあそこに寄って行こうか」
ゴンが指差したのは、結構大きな店舗の雑貨屋。
私は雑貨屋さん大好きです!
「へぇ、おもしれーのいっぱいあるなぁ」
「キルア!これとかどうかな?」
中に入ると、本から家電まで色んなグッズがびっしり!
やっばい、楽しいぃ!
私は3人から離れて、けっこう奥の方へ進む。
わー、ここは雑誌コーナーかぁ………………ん?
「…うわ、グロ系じゃん」
よくよく見ると周りに人がいないし、たくさん並んでる雑誌のほとんどはグロ系。
あちゃー、間違えてグロコーナー来ちゃったか。
「イカンイカン、気持ち悪くなる前にさっさと行かなきゃ」
そう言って後ろを向いた瞬間、後ろにいた人物とぶつかりそうになった。
「うぉっと……すいません」
「気をつけるね」
私の後ろにいたのは背が低い男の人だった。
慌てて横に避けようと右にずれる。
すると、目の前の男も同じ方向にずれてきた。
「…あ、すいません」
今度は左にずれる。
するとまたその男も左にずれてくる。
……え、ちょ、通れない。
「…何してるか、ささとどくね」
「え、いやあの…」
いくら右、左、とずれても進めない。
何回か同じことを繰り返してるとさすがにイライラしてきたのか、男の眉間にシワが寄っている。
こ、こここ怖ぇぇぇぇぇえ!!!
通れないなら………強行手段だ!!
「すいません!」
「…!!」
私はその男の人の肩をガッ!とおさえ、右から通ろうとした。
いや、ほんとならどちらかが止まれば良いんだけどね?
なんかそれもカブりそうだったから。
すると…
バサバサッ!!!
「…………」
「…………」
下を向くと、男の周りにはこの店に売ってそうなグロ雑誌が大量に落ちていた。
ま、ま、まさか………
「あ、あなた万引き「黙るね」……」