第27章 ヨークシンと情報とお金稼ぎ
それから数時間後。
おいしい料理も食べて、じゅうぶん夜のヨークシンを満喫した頃にキルアからメールが届いた。
『ネットカフェの近くにある広場でゴンと待ってる』
「お、二人とも終わったのか」
どれぐらい稼げたんだろ?
あれだけ頑張ってたから、最初よりは貯まってるといいなぁ~。
ネットカフェ近くまで戻ってくると、広場が見えてきた。
ここらへんにゴンとキルアがいるはず……
「~!こっちだよ!」
「あ、ゴン!!」
広場の端に二人は座っていた。
あれ?なんかさっきよりもだいぶ顔つき変わってない?
不思議に思ったけど、とりあえずゴンのとなりに座る。
「…………」
「…………」
「……え、どうしたの二人とも」
なんなんだこの沈黙は。
疲れちゃったのかな?
するとゴンが口を開いた。
「キルア、残り…いくら?」
「……3人合わせて1084万ジェニー」
「は?」
え、ちょ、待って。
「くそー!あのジジイ、まんまとだまされたぜ!!」
「だから信用できる公共サイトだけにしようって言ったじゃん!!」
「んなもん8時間やって、もうけがたった985ジェニーだぞ!?80億稼ぐのに何百年かかるんだよ!!」
「減るよりいいじゃん!!」
ゴンとキルアは口喧嘩を始める。
いや、それよりもまだ私のなかで億単位の金が一気に消えたという事実が理解されてないよ。
つーか私の貯金まで使ってたのかよ。
「やるか!?」
「おお!!」
「え、ちょっと待って」
「よーし勝負だ!!」
「おーやったら」
「人の話を聞けェェェェエ!!!」
しかし、二人はもう周りが見えてないのか私の存在をスルー。
ひでぇ。
「オークションまでの残り2週間で、どちらがいっぱいお金を稼げるか」
「おう」
「542万ずつ持って、8月31日夜9時の時点で多い方の勝ち!!」
「おもしれぇ、もし負けたら!?」
「勝った方の言うことをひとつ何でもやる!!」
もはや私は勝負にすら入れてもらえないのね…
「いちについて、よーーい……ドン!!」