第25章 お泊まりと友情とくじら島
「……親父のこと以上に聞きづらいんだよね、母親のことって」
ゴンは困ったように言った。
「ミトさんがずっと親代わりでオレを育ててくれたわけだから、そーゆーこと聞くのって何か悪い気がしてさ」
「…あー、確かにそれじゃ聞きづらい」
ゴンのお母さんって今まで全く思いつかなかったから、めっちゃ興味あるんだけどなぁ~…
そんな状況じゃあ仕方ないよね。
ゴン自身もそんなにムリに知ろうと思ってないみたいだし。
「親父と母親は2人とも交通事故で死んだって聞いていたんだ………でも親父が生きてるって分かったとき、何となく母親の方はホントに死んでんだろーなって勝手に納得しちゃってさ」
「えええっ!?」
「ひでー話だなそりゃ」
思わずキルアでさえ苦笑い。
たまにゴンってすごいこと言うから心臓が危ないよ。
するとゴンは星空を見上げた。
「ていうより、オレにとって母親はずっとミトさんだから………他にいないんだ。だから聞くこともないし」
「……ゴン」
なんて優しいんだこの子はァァァァ!!
今の優しいゴンがいるのも、ミトさんがお母さんやってくれたおかげなんだろうなぁ。
血の繋がりが全てじゃないもんね。
「あーぁ、オレもミトさんみてーな母親が良かったなぁ」
「私も!すごい美人だししっかりしてるし…」
「最高だよ。ちょっと口うるさいけどね」
それからは3人で火を囲んでたくさん話し、たくさん笑った。
今日決まった新たな目標、そんでこれから始まる3人の旅。
満喫するぞォォォ!!