第25章 お泊まりと友情とくじら島
「すぐにゴハン作るから、あの二人がお風呂出たらあなたも入ってね……えーと…」
「あ、私っていいます」
「ちゃんね!私はミト。何もないところだけどゆっくりしていってね」
そう言って台所に向かうミトさん。
優しい人だなぁ…………………ん?
私はここに座ったままでいいの?
………いやダメだろ!!
「み、ミトさん!私に何かできることはありませんか!?」
「え?いいのよそんな。お客さんなんだから休んでて」
いやいや、だからって私の性格上そーゆーわけにもいかない。
「いや、私あんまりじっとしてることないんで逆に落ち着かないっていうか…………できることがあったらぜひやらせて下さい」
率直に言えば、ただおもてなしされるのが慣れてないだけなんだけどね。
でも、ミトさんは一瞬驚いた顔をしたけどすぐに優しい笑顔に戻り
「…そっか。じゃあこのスープ混ぜてくれる?」
と言った。
うぉぉぉ!!女神ですかあなたは!!!
「よろこんで!!」
私はミトさんの横に移動して鍋の前に立つ。
えーと、混ぜればいいんだよね。
「ふふ、おもしろい子ね。まさかゴンが女の子連れて来るなんて思わなかったわ」
私も来れるなんて思いませんでしたよミトさん!!
ゴンの家 = 聖地なのに、私なんかが来てもいいのかって感じですよミトさん!!
「ゴンったら少し前まですごい幼かったのに………もうこんな歳になっていたなんて」
……え?
何で急にそんな切ない顔になってるの?
「ミトさん…??」
「ん?大丈夫よちゃん!あの子少し鈍感なところあるけど、きっと幸せにしてくれるわ」
「は?」
「私もできるかぎりサポートする。だから安心して」
え、あの………何の話!!?
「…うちに来たのがちゃんみたいな優しい子で良かった……………将来、ゴンをよろしくね」
ミトさんは目頭をおさえて『ごめんなさいっ…涙が…』と顔を背ける。
え、ちょ………
なんかものすごい勘違いされてるんだけど!!!!