第21章 凝と約束と不戦勝
5月28日。
ワァァァァァア!!
『さぁやってまいりました!選手VSサダソ選手!!"平手の"こと選手は200階に上がってからの初試合!!どんな試合を見せてくれるのでしょーかぁぁあ!!?』
………うーわ、来ちゃったよ。
もう試合の日が来てしまったよ。
つーかあの能面男ってサダソっていうんだ(初知り)
「そういえば今日はまだゴンとキルア見てないな…」
応援くらいしてくれてもいいじゃないの!
ちょっと寂しいじゃん!
『それでは選手入場です!先に姿を現したのは選手だぁー!』
ワァァァァァア!!
「うわぁあ、緊張するなぁ…」
歓声に包まれながら、私はリングに上がる。
ううう、こうなりゃもうヤケクソだ!
いつでもかかってこいや!!!
私はぐっと構える。
しかし、
『……おや?サダソ選手がまだ入場してきません!一体どうしたのでしょーかぁ!?』
「は?」
肝心の能面男がいつまでたっても闘技場に現れないのだ。
そして姿を見せないまま数十分。
『えー、サダソ選手の姿が見えないので、これは選手の不戦勝ということになります!』
「…え、マジで?」
あれだけ期日ピンチだどーのこーの言ってたクセにドタキャンかよ!
でも私は嬉しいけどね!
そして観客からの野次を無視しながら、私はリングを降りた。