第21章 凝と約束と不戦勝
「あー、うん……」
ゴンは困ったように目をそらして、ポケットから何かを取り出した。
「え、これって」
「ごめん、オレもこれで脅迫されちゃって…この靴のだよね?」
ゴンが差し出したのは、なくなったと思っていたもう片方の靴。
………ま、まさかゴンまで脅迫されてたなんて。
「も、申し訳ありませんでしたァァァァァァ!!!」
私はその場に思いっきり土下座をかます。
あああ、もう周りの目なんて気にしてられない。
ほんと二人を助けるつもりだったのに逆に迷惑かけちゃうとかぁぁぁ!!!
マジでバカすぎる私!
「いいよいいよ!!!大丈夫だから!!」
「ちょ、オレ達も恥ずいからやめろ!」
「いいや土下座させてくれ…いや、させて下さい!!」
地面に額をくっつけて叫んでいると、二人に無理やり襟を引っ張られて起こされた。
ちょ、首しまる!
「ぐえっ、」
「そんなの気にしてねーっつの!」
「そうだよ。オレ達が怒ってたのはが黙って試合登録したことだけだから」
「…でも結果二人とも試合出ることになっちゃったじゃん!」
しかもわざと負けるのを前提で!!!
すると二人は私の頭をぐしゃぐしゃに撫でてきた。
ちょ、襟掴んだあとは頭ですか!
「だから気にしてないってば。むしろまたが捕まらないか心配なくらいだよ」
「ゴン………ほんとに年下?」
「お前は何も心配しなくていいんだよ。めんどくさいし」
「め、めんどくさい…」
でも…………
「あ、ありがと………」
二人の優しさに感動。