第21章 凝と約束と不戦勝
「………」
「落ち着きましたか?」
「はい、すいませんでした…」
あれから暴れているところをウイングさんにやんわりと止められ、今は正座をして反省中の私。
「ごめんね…やってたらできるようになっちゃったんだ…」
「ゴンだから許す。でもそれなぐさめになってない」
「こんなの実力の差だろ?いーじゃんお前できるんなら」
「キルアは鬼か」
「………」
「無視か!!」
また膨れっ面に戻るキルア。
私なんかしましたか!!?
「ところでさんも試合登録しましたか?」
「え?」
さん……も??
「私は28日に登録してますけど…」
「そうですか。実はこの二人も課題を早くクリアしたということで、もう試合を決めることになったんですよ」
「え、えええっ?」
ちょ、待って。
ゴンとキルアは期日ギリギリまで戦えないから、私があの能面男と試合を登録したのに…
いや、私の期日も危ないから二人の自由でいいけどさ!
なんでいきなり?
するとキルアが、ウイングさんの後ろから口をパクパクさせた。
"あ と で は な す"
………あとで話す?
「さて、それでは三人とも決戦日までの鍛練は全て"纏"と"練"にあてなさい。修行と息抜きと睡眠の時間は等しくとるようにね」
それから私とゴンとキルアは宿をあとにした。
つーか結局なんも修行しなかった!!!