第20章 練と期日と修行再開
ビデオを鑑賞中、ウイングさんはヒソカがスカーフで右腕をトランプに変えたところでビデオを止めた。
どうやら、この場面でヒソカの左手からオーラの糸が出てるらしい…てか、私は見えるんだけどね。
「どうかな?」
「…だめだ!」
「全っ然見えねーよ」
「あぁ、何にも見えないよ…闇の底まであばばばば~」
「ウイングさんコイツどうにかして」
あああ、気持ち悪いよぉぉ。
ビデオだから刺激は少ないけど、生で見たときを思い出しちゃう…。
「さん、大丈夫ですか?」
「ご、ごめんなさいウイングさん…私のことは放っといて説明続けてください」
「いいえ、誰にでも苦手なものは存在します。あなたは映像を見なくていいので、ゆっくりと説明を聞いていて下さい」
ウイングさんは眩しいくらいの笑顔で言う。
ファーーー!!!
こ、ここに神様がいるよぉぉお!!
「では、さんは"凝"を使えるので通常の修行でいきましょう。ゴン君とキルア君は、最終日ギリギリに試合登録をしてもらいます」
説明は終わり、ゴンとキルアは"凝"を完成させることを目標に修行することになった。
私は自由に試合を登録してもいいみたい………だけど、やっぱぬけがけみたいで気が乗らないな。
するとその感情を読み取ったのか、ウイングさんが私の方へ歩いてきた。
「何をするのもあなた次第ですよ。自分で決めて、自分で実戦しなさい」
「ウイングさん…」
「修行、頑張って下さいね」
………なんだろ、ほんとにウイングさんの言葉って落ち着くし響くし……なんだか懐かしくなる。
『大丈夫か?』
『……い、たい…』
『それくらいの傷、すぐに治るさ。……ほら、掴まれ』
『うん……』
あ、そっか。
カイトに似てるんだ。