第4章 嘘とお猿とヌメーレ湿原
外に出ると、涼しい風が吹いている。
景色を見渡してみると、そこには広大な湿原が広がっていた。
「ヌメーレ湿原、通称"詐欺師のねぐら"。二次試験会場へは、ここを通って行かねばなりません…………十分注意してついて来て下さい。だまされると死にますよ」
どうやらこの湿原には、人間を狙う生き物が多くいるらしい。
でも、だまされるのが分かっててだまされるの?
いやいや、そんなことないでしょー!
「ウソだ!!そいつはウソをついている!!」
「!!?」
受験生がそろって声のした方を見る。
するとそこには、大ケガをしたお兄さんが立っていた。
「そいつはニセ者だ!!試験官じゃない!オレが本当の試験官だ!!」
「……うっわーー、」
これどんだけ分かりやすい罠なの?
今まで一緒にいたサトツさんが偽物なワケないでしょ。
こんなのに引っ掛かる奴いるわけないじゃん。
「ニセ者!?どういうことだ!?」
「じゃ、こいつは一体…!?」
いたよ。
すっごい身近にいたよ、騙されてる奴。
何やってんだレオリオ、それと知らないハゲ。
「これを見ろ!!」
お兄さんが何かを引っ張る。
なに出したってもうバレバレだよ、お兄さ…
「ヌメーレ湿原に生息する人面猿!!」
「Σぶっ!!wwwww」
や、やば!思わず吹いちゃったww
不意打ちすぎる!!!まさかこんな面白いもの出してくるなんてwwwwwww
サトツさんに激似っ!!!!!!
「人面猿は新鮮な人肉を好む、しかし手足が細長く非常に力が弱い。そこで自ら人に化けて、言葉巧みに人間を生け捕りにするんだ!!!
……そいつはハンター試験に集まった受験生を一網打尽にする気だぞ!!」
ヒュッ
さくっ
ん?さくっ?
「………!!!!?」
お兄さんの顔には三枚のトランプが刺さっていた。
お兄さんはそのまま倒れていく。
そして、サトツさんは四枚のトランプを指で受け止めている。
みんな驚いて言葉が出てこない。
い、一体誰がっ…………!!!?
「くっく★なるほどなるほど◆」
………そこには、不気味なピエロがいた。