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黒子のバスケ*Short Stories4

第2章 僕の特別はあなただけ*黒子*


移動教室で2年生の階を通る時は、密かにわくわくしている。

隣を歩く火神くんと他愛もない会話をしながらも、気持ちはどこか浮ついていて、自分でも無意識のうちに彼女の姿を探してしまっている。

視界の中に彼女の姿が写り込み、口元が綻びそうになったが、一瞬にして表情が強張ってしまった。

目に飛び込んできたのは、男の先輩と楽しそうに話す彼女だった。

教室で話しているところを見ると、きっとクラスメイトだ。

わかっている、わかっているはずだけど。

一年の差はあまりにも大きくて、壁のように立ちはだかる。

日々一緒にいる時間は昼休みの図書室の時と、たまに部活が休みの時に出かける時くらい。

自分の勝手で時間が取れないのに、生意気にも頭を過ってしまう。

僕以外の男の人と仲良くしないでほしい。

一瞬彼女と視線が重なったような気がしたけれど、今は素直に喜べず、気が付かないふりをして足を進めた。
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