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黒子のバスケ*Short Stories4

第2章 僕の特別はあなただけ*黒子*


昼食の後、昼休みの時間を図書室で過ごすのが習慣になった。

人気がない中で本を読みながらも、実際物語の内容はあまり頭に入ってこない。

扉が開く音が聞こえた瞬間、入り口に視線を撮すと、彼女が嬉しそうな顔をして駆け寄ってきた。

「テツくん、待った?」

「いいえ。僕も今来たところですよ。」

向い合って席につき、声のボリュームを少し下げて他愛もない話をするこの時間は、一日の中で唯一共有できる大切な時間だ。

共通点が「図書委員」ということしかない僕達。

彼女は一つ年上で、部活も違う。

何故彼女が僕に好意を持ってくれたのか、今でも疑問に思う時があるけれど。

「そういえばさん、来月の部活の予定が出ました。この日休みなんですけど、どこか出かけませんか?」

「本当!?行く行く!」

さんは気持ちが昂ぶり、思わず声が大きくなってしまったことに気付いて、周りを見渡した。

頬を少し赤く染めてはにかむ顔を見て、年上の彼女にもかかわらず、「可愛い」と思ってしまう。

幸せだ、と感じるし、こんな穏やかな気持ちがずっと続けばいいと思う。

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