第8章 *New choice。
「本当か!日向」
菅原先輩が目を輝かせると同時に、その場に居た全員が日向に視線を向けた。
自身に満ちた笑顔を浮かべる彼はこくりと大きく頷き、その勢いで私の顔をじっと見つめる。
……何だか嫌な予感がする。
「はい!ここにいます!」
「ちょ、ちょっと待って、私!?」
嫌な予感的中。
日向が言うところの“指導ができる人”は他の誰でもない、私だったのだ。
予感がしてたとはいえ焦りを隠せずにいる私とは裏腹に、当然だと首を縦に振る日向。
他の皆さんに関しては、あまりに予想外な答えに唖然としたまま誰も口を開かない。
「谷口さん、バレー上手なんです!
あとおれ、練習付き合ってもらったことあるんですけど、教え方とかわかりやすかったし!」
「……その練習俺も見てたんですけど、確かにコイツの言うこと分かります」
「か、影山くんまで…!」
身振り手振りをつけながら説明する日向に加わって、影山くんまで口を開きだした。
君たち、よりによってこういうところで意気投合しなくていいんだけど。