• テキストサイズ

【HQ!!】私の居場所。

第7章 * "Great King"



「…変なところで鋭いんですね。
それより、手、離してください…!」


いつの間にかその大きな両手に包まれていた右手を軽く振りながら言えば、及川さんは短く笑みを溢した。


「…大会までもう時間は無い。
どうするのか楽しみにしてるね」


それと同時にゆっくり離れる及川さんの手。
……ちゃんと離してくれて良かった。


「じゃーね、綾乃ちゃんっ」


なんて、油断してたら次は頭を撫でられた。


「ちょ、ヤメテクダサイ!!」


キッと睨めば返って来るのは余裕のある笑顔。
そして再び「ばいばい」と手を振って、及川さんは帰っていった。


「…やけに気に入られてるんだね」

「からかうのが好きなだけでしょ、あの人は…。」


ツッキーくんの呟きに呟きで返す。

……本当に最後まで良くわからない人だった。
及川徹、私はこの人のことを忘れられないだろう。
勝手に手を握られたことは今すぐ忘れ去りたいんだけど。





「……ふふっ」

「!?」


暫くの沈黙が流れた後、澤村先輩が急に声を漏らして思わず肩が揺れる。


「主将!?」

「大地さん!?」

「…確かにインターハイ予選まで時間は無い……けど
そろそろ戻ってくる頃なんだ」

「あっ」

「戻ってくる頃…?」

「?何がですか?」


私と日向が興味津々で問いかけると、澤村先輩はフーっと深く息を吐いた。
そして少しの緊張感が漂う中、口を開いた。




「烏野の


     "守護神"」




/ 92ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp