第7章 * "Great King"
―トッ
倒れそうになった私の体は、地に触れる前に誰かによって支えられた。
「ちょっと、目の前でフラフラしないでくれる?」
「………あ、…ツッキーくん…」
私の体を支えてくれたのは、意外なことにツッキーくんだった。
まさかツッキーくんに助けられる日が来るとは。
「そんな状態でいられると逆に迷惑だし、休んでおいたほうがいいと思うけど」
「俺も無理はしてほしくない、かな…」
私の体を支えたまま呆れた顔を浮かべるツッキーくんと、私を心配してくれる山口くん。
ツッキーくんも言い方は少しキツいけど、心配してくれてるんだろうな…なんて思えばちょっとだけ胸がきゅっとなった。
「…俺、連れて行きます」
「あぁ…頼んだ、影山」
「おっ、おれも行きます!おれも!!」
「日向は自分の心配してろ!!」
影山くんの言葉が図星だったのか、日向は「う゛っ」と小さく唸って黙り込んでしまった。
「保健室、なら……私一人でも…」
「フラフラじゃねえか、連れてくぞ」
「!?…ちょ、影山く…っ」
影山くんがそう告げたと同時に、私の体はふわっと宙に浮いた。
…びっくりした。
お姫様抱っこなんてされたの、初めてだ……。