第6章 *Participation。
「……谷口さん、俺にも一口くれ」
「っえ、ちょ」
暫く唖然としていると、私たちの様子を見ていたであろう影山くんがそう告げては私の右手を掴んだ。
「んまい」
「日向はまだしも影山まで……」
「…ちょっと、息してる?」
山口くんとツッキーくんの言葉も、今の私には届かない。
ただ呆然と突っ立っている私は、多分今凄く間抜けな顔になっているだろう。
「ご、ごごごめん谷口さん!いっつも夏とやってるからつい……!!」
「?」
自分のした行動に今更気づいたのか、日向が顔を真っ赤にさせた。
その様子を見ている影山くんの頭にははてなマークが浮かぶ。
おそらくこの男、何も解っていない。
…いや、でも私が言いたいのはそういうことじゃなくて……
「…動かないんだけど」
「だ、大丈夫かなぁツッキー…」
「なんで動かねえんだ?」
「お前はなんで平然としてるんだよ!」
「………………ぽい…」
4人がそれぞれ口を開く中、固まっていた私がポツリと呟いた。
その言葉は誰にも聞き取れなかったらしく、もう一回と言わんばかりに視線が集まる。
「…今の…………友達っぽい…!!」
「…は?」
「えっ」
「!」
「?」
目を輝かせてそう言った私に、それぞれが思い思いの反応を示した。