第6章 *Participation。
「ツッキーから聞いたよ!帰る方向一緒だよね?
もし良かったらだけど…一緒に帰ろ?」
「勿論いいけど…何で私の家知ってるの?」
「…今朝のこと、もう忘れたとか言わないよね?」
「今朝のこと…………あぁ、アレね…」
そういえば朝バッタリ会ってしまったんだっけ。
あのときは只の嫌な奴にしか思わなかったなぁ…。
「確か、山口くんとツッキーくんは幼馴染なんだっけ…家も近いの?」
「んー、まぁ近い方なのかな。小学生の頃から一緒に帰ったりしてたから!」
「ほう…小学生……」
そう呟いて、横に並んで歩いている2人を見上げる。
この2人の小学生時代……想像がつかないのは私だけだろうか。
「ツッキーはその頃から…」
「山口うるさい」
「ごめんツッキー!」
「え、何々、気になる」
「キミもうるさいよ」
呆れたような目で見下ろされたから、山口くんの真似をして"ごめんツッキー"と返してやったら顔をしかめられた。
部活帰りにこうやって誰かと話しながら帰るなんて久しぶりだ。
昨日日向が送ってくれたときにも思ったけど、誰かが居るってことだけで、只の帰り道がこんなに楽しいものになるんだよね。
ついついニヤけそうになる頬に気をつけて、3人で他愛もない話をしながら歩いていると山口くんが前方に何かを見つけたらしく、"あれっ"と短く声を漏らした。
「なんか、皆集まってる…何やってるんだろ」