第6章 *Participation。
それからそれぞれの自己紹介を済ませて皆でわいわいと話をしていると、突然田中先輩が私をジロジロと見始めた。
「んん……なーんか見覚えあるような気がすんだよなー…」
「な、ナンデスカ……」
「んあ!!!」
「!?」
「もしかして…去年の日向影山の試合観に来てた…!!」
「え………あぁ!!!」
思い出した。確かあの時、坊主頭の人にガン見されたんだ…………あの人が田中先輩だったのか。
田中先輩は思い出せたことに満足感を覚えたようで、とてもスッキリとした表情で笑った。
「小せぇから小学生くらいかと思ってた!」
「…小…学生……」
今までに何度も言われてきた言葉を久々に聞いて項垂れる。
最近やっと言われなくなったと思ったのに。
「イマドキ、小学生でも身長これ以上はあるんじゃないデスか?」
「ないし!ツッキーくんうるさい!」
「…その呼び方やめてくれる?」
「やだし!ツッキーくんはツッキーくんでいいでしょ!」
"ツッキー"と呼ばれるのがそんなに嫌なのか、からかうようにそのアダ名を口に出せば物凄い形相で睨まれた。
相変わらずの威圧感だけど、私ももう慣れているから引き下がることはなかった。