第6章 *Participation。
「どうだった?3対3」
「……別に…どうでも。
エリート校の"王様"相手だし
僕ら"庶民"が勝てなくても何も不思議じゃないです」
「…ふーん…」
澤村先輩の質問に、ツッキーくんはぶっきらぼうに答えた。
「その割に
ちゃんと本気だったじゃん」
「……………」
「途中で上着脱いでたもんね」
顔をしかめて黙っていたツッキーくんを少しからかってやると、「うるさい」と言わんばかりの目で睨まれた。
身長が高いからかやけに迫力がある。
「「キャプテン!!」」
そんな私達の間に生まれた少しの静寂を、2人の元気な声が打ち消した。
「何――…!」
手に握られていたのは、しわくちゃになった入部届。
そうだ、私も出さなきゃ。
それを見た私もごそごそと制服のポケットを探る。
実は、いつでも対応出来るように念の為ポケットに入部届とボールペンを忍ばせていたのだ。
名前だけしか書かれていない入部届に、ボールペンで"バレーボール部"と書き込む。
そしてそれを彼らと同じように澤村先輩に手渡した。
「主将さん……よろしくおねがいします!」
「………清水
アレ、もう届いてたよな?」
澤村先輩の言葉にこくんと小さく頷けば、清水先輩はその"何か"を持ってくるために体育館を出た。