第6章 *Participation。
「月島!」
少し離れたところで給水していた月島くんたちのそばまで向かうと、日向がぬっと手を伸ばした。
「……………何」
「試合の最初と最後に握手すんじゃん
今日の最初はしてないけどっ
それにこれからチームメイトだしっ
嬉しくねえけどっ」
「……………」
なかなか手を握ろうとしない月島くんに、日向は主将さんをチラチラと見ながら何かを訴えかけているようだった。
「もう、さっさと握手しなよ。ツッキーくん」
「は?」
「私も今日からチームメイト……だから、よろしくね」
それでも握手をする気はさらさらないといった様子の月島……いや、ツッキーくんに私はとうとう痺れを切らし、半ば強引に手を握ってやった。
ツッキーくんは「最悪…」と見るからに嫌そうだったけど、そんなの私が知ったことか。
「山口くんも、よろしくっ!」
「よ、よろしくね!」
その隣でツッキーくんの心配をしていた山口くんとも、勿論握手をした。うん、この子は素直でいい人だ。
いきなり図々しいかななんて思ったけど、これからはチームメイトだもんね。
「月島」
そんなこんなでなんとか交流を済ませると、主将さんの声が聞こえて私とツッキーくんと山口くんは一緒に振り返った。