第6章 *Participation。
「谷口さーんっ!」
主将さんと清水先輩への挨拶を済ませると、此方に向かってぴょこぴょこと軽い足取りで日向くんが歩いて来た。
影山くんも一緒に。
「日向くんお疲れ様っ!格好良かったよ。影山くんも!」
思ったことをそのまま伝えると、日向くんは「ほんと!?」と目を輝かせた。
影山くんも、日向くんみたいに感情をオーバーには出さないけど、頬は嬉しそうに緩んでいるように見えた。
「…それでね、私、マネージャーやらせてもらうことにしたよ」
「やった!じゃあ、これからもよろしく!谷口さん!!」
「よろしく、日向くん」
「日向でいいよ!」
「じ、じゃあ……日向!よろしくね」
私はそう言うと、日向から差し出された手を握った。
これからは全力で日向たち…烏野高校排球部をサポートするんだ。
「影山くんも、よろしくね!」
日向の隣で私たちの様子をずっと見ていた影山くんに向けて、日向と繋いでない方の手を差し出すと、彼は何故か私の顔と手を交互にチラチラと見た後、小さく「おう」と声を漏らして握ってくれた。
「あっ、月島たちともしなきゃ!」
「あー、そうだった!行こ行こ!」
今日は敵だったけど明日からはみんな味方だ。
みんな同じ…烏野高校排球部の仲間、なんだ。
(仲間、かぁ……)
久々にできた"チームメイト"という存在に
嬉しいような、切ないような、何とも言えない複雑な気持ちが私の中で生まれた。
でも、それでも私はここで生きていくって、そう決めたんだから。
もう二度と、この大切な存在を失いたくは無いんだ。