第3章 *Place to stay。~Necessity~
ピーッ
体育館へ足を踏み入れると、笛の音が響いた。
丁度今から試合が始まるみたいだ。
私は、菅原さんについて歩いた。
「清水!」
「?」
菅原さんに名前を呼ばれて振り向いた女の人は、とてもじゃないけど言葉では表しきれないほど綺麗な人だった。
「この子、さっき日向が話してた谷口さん」
「谷口綾乃ですっ!
よろしくお願い致しますっ!!」
「清水潔子、烏野高校バレー部のマネージャーです。よろしくね」
何故だろう、年上の女の人は怖くて苦手だけど、清水さんは全然大丈夫だ。
「よし、じゃあこっちおいで。」
眩しい程の笑顔を見せる菅原さんの隣に行くと、菅原さんは首を軽く傾げた。
「谷口さん、バレーやったことあるの?」
「小学2年生の頃から中学2年の途中まで…っ、やって…まし…た」
「そうなんだ…っておい脱ぐな!!」
コート内で服を脱ぐ坊主頭の人に耐え切れなくなって、目のやり場に困る私を見て察してくれたのか、菅原さんはその坊主頭の人に注意をした。
あの坊主頭を、私はどこかで見たことがあるような気がするのは…気のせいだろうか。