第3章 *Place to stay。~Necessity~
「ひ…っ、日向くんっ…!」
「どうしたの?」
とりあえず一旦状況を理解しようとした私は、日向くんに耳打ちする。
「私、マネージャー志望なんて一言も…っ」
「だって、谷口さんバレー好きだって言ってたじゃん!それに、谷口さんがマネージャーしてくれたらいいなって思って」
「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけどっ」
「?えっ…と、とりあえず今日は見学に来た。ってことでいいんだよな?」
「見学…?」
「そうです!」
「ちょ、日向くん!?」
落ち着くどころか、どんどん話が進んじゃって理解できそうにない。
そんな時、体育館の扉がガラッと勢い良く開いた。
「オイ日向遅……!」
「……影山くん、おはよう…」
そこに立っていたのは眉間にシワを寄せた影山くんだった。
「なんで居る…」
「…なんでだろう」
こっちが聞きたいくらいだ。
なんで私はここに居るのだろう…なんでマネージャーとかそういう話になってるんだろう。
「…まぁいい。オイ日向、いつまで待たす気だ!アップするぞ」
「はぁーい……じゃ、谷口さん、あとでね!」
「エッあの」
………行ってしまった。
日向くん、どうして私をここに呼んだんだろう…。
「…大丈夫?」
「っ!は、はいっ!」
そうだ、菅原さんが居たの忘れてた…。
日向くんが居なくなって、必然的に菅原さんと2人きりになっちゃったけど……どうすればいいの…?