第3章 *Place to stay。~Necessity~
「………ねぇ」
「っ、なに」
「人の後ろについて来るのやめてくれる?」
「別に好きでついてってるワケじゃないですし!」
「ふーん」
…多分、月島くんの目的も第二体育館なんだろう。
昨日の話からして。絶対そうだ。私、今日ツイてない。
「あっ!!谷口さんおはよー…って、月島と一緒……!?」
学校までの時間がこんなに長く感じたのは今日が初めてだ。
私の予感は見事的中。結局、月島くんの後を一定の距離を保ちながらひたすらついて来て、やっと第二体育館まで辿り着いた。
「おはよう日向くん。
違うの、月島くんとはたまたま会っちゃって」
「そうなんだ…大丈夫?何も嫌なこと言われてない??」
「え、あー、うん!大丈夫だよ」
さっきまでの時間は憂鬱だったけど、日向くんと話したらなんだかそれがパッと消えたような気がした。日向くんは本当に太陽みたいな子だな。
「日向ぁ、その子誰?」
なんて思っていると突然、後ろから誰かの声が聞こえて不思議に思った私は振り向く。
(!この人……前、日向くんと2人で練習してた人だ!!近くで見てもやっぱ爽やか……)
「菅原さん、ちわす!」
どうやらこの人の名前は菅原さん、というらしい。
「さっき話した谷口さんです!」
「お、おはようございます!」
日向くんに紹介された私は、一度頭を下げる。
「おー、その子がマネージャー志望の子かぁ」
「…マネージャー!?」
菅原さんの発した言葉に、自分の耳を疑った。