第2章 *Reencounter。
「ツッキー、谷口さんじゃないかな。
同じクラスの」
このそばかすの子は……確か山口忠くん、だっけ?
私の名前覚えててくれてるんだ。いい人だな。
「ふーん……さっきの話、聞いてたんだ?」
「エッいやあの…別に全然盗み聞きするつもりは無かったんですけど……」
「ま、いいや。
"王様のトス"見れるの、楽しみにしてるよ」
「…」
何やら不敵な笑みを浮かべてそう言った月島くんと山口くんは、もうすっかり暗くなった夜道を帰って行った。
「…なんか、感じの悪い人だったね」
「明日絶対ブッ倒すぞ!」
「…言われるまでもねぇよ!!」
明日?ブッ倒す?なんのことだろう。
2人の会話は少し気になったけど、特に深く問い詰めようとはしなかった。
「あ、そういえばー……日向くん、影山くん!
これ、どうぞ」
飲み物の存在、忘れるところだった!
「おーっ!ありがとう!!」
「あざす」
飲み物を受け取ると、影山くんは「じゃあ」と一言漏らして帰ってしまった。
「もうすっかり暗くなっちゃったなー…
おれたちも帰ろっか!谷口さん、送ってくよ!」
「え、いいよいいよ!そんなっ…」
「遠慮しなくて大丈夫!
練習付き合ってもらったし送らせて!」
「……じゃあ、お願いします」
結局お言葉に甘えて、日向くんに家まで送ってもらうことになった。