黒執事 Christmas at midnight
第1章 序章 幕開け
「私は、クライヴ。クライヴ・バロン……今夜貴女を、特別な時間へと誘うヴァインツ家執事で御座います」
クライヴは懐からパンフレットのようなものを取り出すと、ゆっくりと読み上げる。
「黒執事 Christmas at midnight、前篇後篇に分けて貴女様に素敵なクリスマスをお届け致します。上映スケジュールですが……以下の通りで御座います」
・前篇 聖なる時の選択を
少女と白い執事の物語。とある昼下がり、一人少女は街へと買い物へ出ていく。その帰りの途中、彼女は予想だにしていなかった"あり得ない"出来事に遭遇する。
12月15日 公開
・後篇 聖なる時の選択を
ファントムハイヴ家にてクリスマスを過ごすことになった少女とクライヴ。着々と準備が進められる中、突如事件は起きる! 事は一刻を争う中、そこに田中さんがある提案を持ち掛けて……。
12月25日 公開予定
「ご覧になりましたか? ではこのパンフレットは、お嬢様にお渡しすると致しましょう」
クライヴは燭台に灯ってた火を、突如吹き消してしまう。
辺りは暗闇に包まれ、静寂が訪れる。
「どうか、素敵なクリスマスを」
聖なる夜、貴女が目にするのは悲劇なのか? それとも喜劇か……――