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黒執事 Christmas at midnight

第2章 前篇 聖なる時の選択を



「それはセバスチャンも承諾しているのか?」

「当然でしょう。それに、私達が今更そういう普通の恋愛って型にはまれるわけないじゃない?」

「まぁ、そう言われてしまえばそうなのかもしれないが……それでお前は満足なのか?」

「そういう形式は寧ろ邪魔なだけなの。私はセバスチャンを想ってて、彼もそう。ならそれでいいじゃない」

「想い合っているように見えないのだがな……」


「では堂々と、目の前でイチャイチャしていれば宜しいのでしょうか?」


 ティーセットを片手に、セバスチャンが扉を開けて顔を覗かせる。まさか渦中の人が現れるとは思っていなかったその場の三人は、驚いたように目を丸くし黙り込んでいた。


「おや、楽しい談笑のお邪魔をしてしまいましたか?」

「いや、そんなことはない。おいセバスチャン、お前はアリスのことをどう思っているんだ?」

「……はい?」

「もうっ、シエル!」


 カップに紅茶を注ぎながら、セバスチャンは笑顔を貼り付けまま硬直する。シエルが完全に面白がっているらしく、にやにやとしながらセバスチャンの言葉を待っている。意図を汲み取ったセバスチャンはやれやれという表情に変わり、シエルへとカップを差し出しながら答える。

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