第5章 好敵手
その目をまっすぐに見つめて微笑むと、目の前の菅原の目がキラリと光った。
「………!おうっ!……始めはタイミング合わないかもだけど、頑張るよ。俺も。………だってさ、俺のバレーボール人生で日本一のエースにトス上げるなんてこれで最後だと思うし!」
ニカッと笑う菅原の肩を叩きながら頷いてみせると、相手コートを見据え、考えるような仕草をとる菅原。
ま、頼むよ。
今はお前が俺を飛ばす役目だからね。
床に転がっていたボールを掴み、烏野メンバーへと掲げる。
「Are you ready?」
口許には笑みを添えて
「It's the beginning of a fun show!(楽しいショーの始まりだ!)」
ゲームの始まりを告げる俺の言葉によって、烏野メンバーたちにピリリとした緊張感が走る
…………ただし、2人を除いて……
「え!?え!?今何て言ってたんすか!?あの人日本人じゃなかったんすか!?」
「????今の何ですか?」
緊張感に包まれている澤村たちとは真逆に俺の言葉の意味が分からず騒いでいる日向と影山の二人。
くくっ…チビッ子と影山ってバカだったのね!
残念すぎんな、オイw
「ちょっ!お前らいい加減にしろよっ!バカ丸出しでハズイっっつの!!………ったく、今悠が言ったのは"楽しいショーの始まりだ"って言ってたんだよ!」
こちらのコートに立っていた菅原が慌ててツッコミを入れると同時に、烏野サイドでも田中達によってツッコミが炸裂していた。
「バカっ!分かんなくてもここは知ったかしとけよ!!あほぅ!」
「田中……そうゆう問題じゃないと思うが………」
「プッククク………本っ当バカだよねぇ二人ともw」
予想外の展開にコート内が騒がしくなる中、主将である澤村の表情が黒々とした笑顔へと変化していく。
「…………なぁ、お前たち。今が何の時か、わかってるか……?」
「「「「「_____!?!?」」」」」
___Funny challenger.