第5章 好敵手
武田は目をキラキラと輝かせながら前のめりな様子で大きく頷く。
「ほっ本当かいっ!?それは、うちにとって願ったりだけど……銀鏡くんは、その………大丈夫なのかい?」
恐る恐る俺の反応を伺う武田の視線に笑顔を返す。
「俺ですか?構いませんよ。………どうぞ、ビデオでも、何でも撮って俺の攻略法でも研究してください。………研究されようが俺が負けることはないので。」
言い放ち、澤村に挑戦的な視線を向けるとさらに熱さを増した闘志が伝わってきて、俺は心中ニヤリと笑う。
お、その顔、ノッてきたね………?
くく………
楽しくなってきたなぁ…
わざわざ、
挑発した意味があったわ。
視線の向こうにいる澤村がゆっくりと口を開く。
「………わかった。お前のこと、存分に研究させてもらう。………先生も、それでいいですよね!?…あ、あと清水っビデオカメラと三脚、用意してもらえるか?」
「もっもちろんだよ!ありがとう!銀鏡くんっ!ビデオ、撮らせてもらいますっ。そのかわり、約束通り、学校側には気づかれないよう気をかけとくよ。」
「………わかった…!持ってくる。」
下準備も出来たところで、俺は菅原に声をかけ、ジャージへと着替え、アップに向かう。
「じゃ、俺はアップしてくるよ。」
「あ、うん。了解っ。」
その間烏野メンバーたちは小さく集まり、真剣な面持ちで戦術を練っていた。
……まぁ、好きに作戦でも練るといいよ。
手加減するにしてもノッてる俺を止めるのは無理だけどね?
______アップを終わらせ、コートに入ると少し緊張した様子の菅原が駆け寄ってきた。
「な、なぁ、銀鏡__「悠でいい。」えっと……悠!俺、どうすればいい?」
眉尻を下げ困ったような笑顔を見せる菅原の頭をポンポンと撫でる。
「孝支んとこにボール返すから、お前はほとんど動かないでいいよ。………あ、俺へのトスはインダイレクトでいいから、ここにいる誰よりも高めで早めのやつ、よろしくね?」
__Preparation.