第2章 凱旋
ガバっと勢いよくあがる及川の顔は目を見開き、唖然といった表情で、俺は思わず困ったような笑顔になったしまった。
岩泉をちらりと見ると、ため息を漏らし哀れんだ目を向けてきた。
わぁ、The他人事☆ って感じだな!おい!お前、がっつり関係者だよ!?
しかし、岩泉はニィと口角を上げると、さらに状況を悪化させる爆弾を投下した。
「ま、俺は、悠が帰国してっ時は、大抵会ってたけどな。」
_____は?
何言っちゃってくれてんの?
え、アホなんじゃない?
しかも、すげー勝ち誇った顔してるし…
つか、ここでSっぷり発揮とかどんだけSなの!?(泣)
悠くん、涙出てきた……
ほらほらほらほら、及川さん凄い顔してるよ!?
ちょ、これ、徹のファンいなくなんじゃね?ひどいよ?
まさに_________”絶望”。
「ちょ!ちょっと待った!!一ぇ、てめえちょっとくらい空気よめや!…って徹?帰ってこーい!!!」
がくがくとその肩を揺らすとアッチ?の世界から戻ってきたのか、及川はハッとし、俺の目を見た。
「……悠。今日お前ん家泊めろ。……お前が嫌がっても行くから。」
「ほえっ?!家…?べ、別にいーけど…」
「ん。」
俺の返事に機嫌を直したのか、及川は笑顔で昼飯の惣菜パンにかじりついていた。
……取り残された、俺。
え、それでよかったんですか?及川さん…?
疑問は残るものの余計な詮索は火種になりかねない。
たぶんこれでいいんだよ。きっと。うん。及川笑ってるし。
そう自分に言い聞かせて、平和に戻ったランチタイムを堪能するが、岩泉はそんな俺達を見て、少しつまらなそうにため息を漏らしていた。
「あっモチロン入るよね?…バレー部。」
「口にモノ入ってっときしゃべんじゃねえ!汚ねぇだろっ…つか、一生しゃべんな。」
口いっぱいにパンを頬張りながら問いかけてくる及川に、岩泉の鋭いツッコミと制裁が決まる。
「なっ!!??う”げっ…ごほっげほっ」
あはは…一ヒデェww…でもちょっと可哀そう?
_____pinch!