第5章 好敵手
【 烏野高校side 】
澤村の名前を聞き、去っていく悠の背中を唖然とした表情のまま見つめていた烏野メンバーたち。
その視線の先にいる男は、隣に引っ付く及川とともに女子に囲まれていたが、笑顔でかわしている。
その様子にイライラを募らせた田中だったが、ふと何気なく横を向いたことである重大な事柄に気づいてしまった。
(きっきっ潔子さんの…………か、顔が……………赤くなっとる!!!!!!)
驚愕し目の前の事実を受け入れることのできない田中の瞳に映るは、頬を赤く染め胸元をきゅっと掴みながら、先ほどのイケメン野郎(←悠)を見つめる清水の姿。
その姿はまさに
"恋する女子"
そのもの。
『~~~~~~~~~っくっっそがぁ~~~~~~~!!!!!!!』
突然の田中の咆哮に驚く烏野メンバー。
今もなお怒り心頭な様子で騒ぐ田中を慌てて澤村と菅原が止めに入る。
「え?!何?!いきなりどうしたの?」
「おい、落ち着け田中。そんなに銀鏡たちにムカついたのか?」
「…………"銀鏡"…………許さねぇ………絶対に許さねぇ…………ブッコロース☆」
「!?ちょ、落ち着けって!田中!?」
羽交い締めにされてもなお悠のもとへと飛びかかっていきそうな田中に困惑する3年生2人。
「ただでさえ、女子らにチヤホヤされててムカつくのに…………それだけではあきたらず………………俺らの……俺らの…………穢れなき、き、潔子さんの……………ハートを奪うなど!!!断じて許さん!!!!!!!」
ドーン、といい放った言葉に唖然とする一同……
……と、1人顔を真っ赤にして目を見開く美少女。
「……………っ///?!」
その様子ハッとした菅原が慌てて止めに入る
「わっ!馬鹿っ!!おまっそれ言っちゃだめなやつだからっ!!」
菅原の健闘も虚しく、その美少女こと烏野高校男子バレー部マネージャーの清水潔子は、その目に涙を浮かべながら走っていってしまった。
___Of man envy bad looking.