第5章 好敵手
瀕死状態の俺。
それを腕を組み仁王立ちで見下ろす鬼……いや岩泉。
そして脛を押さえうずくまる俺の側で、オロオロと、大丈夫ですか!?、と動揺する金田一。
他のメンバーは呆れた様子でこちらを見ている始末。
……………やっぱり鬼だ。
みなさん、青葉城西には鬼が出没しますよ!
だれか退治してくださーい!!←切実
「……俺がビビるわきゃねぇだろ?…………黙って見てやがれ。阿呆。」
「キャーッ銀鏡先輩が~~!!大丈夫ですかぁ?!!」
「銀鏡くぅーん!!可哀想すぎるぅっ!!私が介抱してあげたーい♡」
うずくまる俺に女子たちの心配する声が轟く。
………だが、それは目の前の鬼の機嫌をさらに悪化させてしまう結果を招いてしまったのだ……。
「……は、一さん?俺、わざとやってるわけでは………いや、ちょっ!待______」
ゴインッ!
脳天に落とされた岩泉の愛の鉄拳によって仕留められた俺は声も出せずにただただ痛みに耐えるしかなかったのだ………
「なっ!?ちょ、大丈夫っすか!?岩泉さんやりすぎっすよ!?………え、悠さん?気をしっかりーーー!!悠さぁーーーん!!!」
近くにいるはずの金田一の声が遠くに聞こえる。
………父さん、母さん。
俺、もうだめかもしれない………
親不孝者でごめんなさい。
「………おい。いい加減起きろ。バカ悠。」
「……はい。すんません。」
………威圧感、半端ないっす。
____Danger.