第5章 好敵手
「一ぇっ!いつまでもぬるいことやってんなよっ!!オメェは誰の相棒だ?あぁ!?」
俺の渇に岩泉の顔がニィ、と悪人面で口角を上げた。
すっと向けられた指先。
「うっせー!オメェは黙って俺の活躍を拝んどけっ!」
ん。それでこそ岩泉だな。
悪人面がよく似合うw
同じようにニィ、と口許に笑ってみせると、バーカ!と返事が返ってきた。
「……いや、話には聞いてたんですけど、影山のトス……精度がえげつないッスね。」
「……本当、すげぇよな。うちに欲しかったぜ。全く…」
俺の言葉にうんうんと頷きながら、腕を組むコーチ。
「まぁ、影山も凄いですけど……うちの正セッターの方が断然上だと思_「ふふ、そんなに褒められると照れちゃうなぁ♪」っげっ!?」
突然耳元に囁かれた声に驚き振り返ると、にんまりと嬉しそうに微笑む及川の顔がすぐ近くにあり、俺は咄嗟に体を仰け反らせた。
___が、しかし、俺の動きはヤツに予測されていたらしく、すぐに及川が腕に絡み付いてきた。
「だーめ!……逃がさないよ?」
何でこう………
居てほしくないポイントでいんのかな……
しかもスゲー嬉しそうな顔してるし
その原因を作ったのが自分ってとこにマジ自分を呪うね。
何であんなこと言ったんだろう………
俺としたことが、注意が足りなかったよ……はぁ。
1度吐き出されてしまった言葉は、もう戻ることはなくて。
「いやぁ~悠がそんなにも俺のこと買ってくれてるなんて思ってもなかったなぁ♪……愛、感じちゃうなぁ~。」
時すでに遅し、とは、まさにこのこと………
今もニヤついたムカつく笑顔で、人の顔をチラチラと覗き見てくる及川…いやアホ川の頭を思いっきり叩いた。
「っぃだっ!?ちょ、すっごく痛いんだけど~~~っ!!」
「……知るか。強く叩けば少しはその浮かれた頭もマトモになんだろ。………つか、早く試合行け。クソ及川。」
「なっ!クソって………悪口ヒデェっ!」
及川は叩かれた頭を擦りながら監督の元へタイムアウトを取るようお願いしにいった。
____How you doing?