第5章 好敵手
正直、
嬉しかった。
自分もコイツと……そしてチームの皆とコートに立っていいんだって、
今更なんだけどそう実感した。
公式戦がない今は試合に出れない俺。
だから、及川とも、岩泉とも、他の奴等とも実戦ではコートに立ったことがないわけで。
早く出たいなぁなんて、思っちゃったよ。
目の前の及川は満足げな笑顔で俺に手を伸ばした。
………何でコイツ手を出してんだ?
何かくれってこと??
俺特に何も持ってませんけど………
「………さ、帰ろっか!……二人の愛の巣へ☆」
とびきりのイケメンスマイルを決める及川徹(17)
。
「あ?"二人の愛の巣"なんてこの世にねぇよ?寝言は寝てから言えよ♪……何だったら一生寝たままにしてやろうか?」
それに対して青筋を立ててとびきりのスマイルを返す俺__銀鏡悠(17)。
「………それって俺、死んでない!?」
優しく微笑む俺。
「That's right!(その通り!)」
____That's right!